多様な瞳孔拡張デバイス 小瞳孔

白内障手術で直面する

“小瞳孔”という課題

年間約170万件——白内障手術は、いまや日本で最もポピュラーな手術の一つです。

しかし、すべての症例が同じ難易度であるわけではありません。術中に十分な視野が確保できない場合、手技の正確性と安全性が大きく損なわれることがあります。

特に、何らかの原因で瞳孔が小さい、広がりにくい症例では、瞳孔を拡張し術野の視認性と操作性を向上させるための追加処置が必要なケースがあります。

イナミでは瞳孔が4mm以下の小瞳孔、術中フロッピー虹彩症候群(IFIS)などの症状に、多様な瞳孔拡張デバイスをご用意しています。


2 本のフックで瞳孔拡張操作を安全、確実にコントロール。

小瞳孔やIFISなどの症例では、術中に瞳孔拡張操作が求められます。無理な操作による瞳孔縁や虹彩、隅角の損傷、前房出血を防ぐために考案されたのが、「トメ1フック」と「トメ2プシュフック」です。

トメ1フックは、インジェクターからの取り外しや虹彩への装着操作に適しており、先端が丸く加工されているため、虹彩や前嚢を傷つけにくい設計です。また、核処理や眼内レンズの調整にも使用可能です。

トメ2プシュフックは12時方向からの挿入に使用し、押し込む操作ではリングが滑らず位置をコントロールできます。装着後はまっすぐ引き抜くことで、虹彩へのダメージを最小限に抑えます。基本的な操作は2本のフックを用いておこないますが、症例によってはトメ2プシュフック単体での挿入も可能です。


【M-127T】トメ1(tome1)フック
【M-128T】トメ2(tome2)プッシュフック


圧倒的な支持を誇る「縦に切れる」剪刀。

刃先はシャープな切れ味を有し、前房内でシャフトを回転させることなく垂直に開閉します。操作性に優れ、虹彩・前嚢・硝子体など様々な切開に活躍する1 本です。

【DS-088】八重剪刀®


瞳孔拡張の新しい方法

クローバーリングは、四つ葉のクローバー形状を採用しており、アームには外側に膨らむ部分と内側に凹む部分が交互に配置されています。内側のくぼむ部分に虹彩フックが設けられており、この独自の形状により、アームが容易に変形しフックを内方にスムーズに動かすことができます。

アームを虹彩上に置いたままフックの下突起を虹彩下に挿入することで、虹彩を大きく変形させずに瞳孔を拡張し、安定した固定が可能です。挿入・回収は前嚢セッシで行え、インサーターは不要。最大3回まで使用でき、コストパフォーマンスにも優れています。

【CR1】クローバーリング(セッシ挿入・回収タイプ)


IFIS、小瞳孔、カプセルサポートにおいて革新的な機能とデザイン

本体収納ケースから、インジェクターに装填し、切開創より眼内に挿入し、虹彩に装着します。
レンズ挿入後、レンズフックやインジェクターを利用して、簡単に切開創から取り外すことが可能です。

【DIAX2MU】Xpand2 虹彩リング(4個入り)


この一本で核分割から邪魔な虹彩下の観察まで

軽度〜中等度の散瞳不良症例で、操作の妨げとなる虹彩を先端形状の工夫により優しく、確実に押しのけることが可能です。
1本で核分割と虹彩押しのけによる視認性確保を両立が可能です。

【M-136S】糾式 核分割・虹彩押しのけフック

 
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