白内障手術 その1

2018/02/26

このコーナーでは、イナミ公式キャラクターeyenamix α(アイナミックス アルファ)がストックしている(=必死でかき集めた)使える営業ネタや、知っていて得すると思われる業界情報をお伝えしていきます。

今回は、白内障手術の代表的術式であるPEA+IOL(超音波入荷吸引術+眼内レンズ挿入術)の基本的なフローを解説します。術者により工程順が入れ替わったり省略されることがありますのでご了承ください!!

1.点眼麻酔+術前処置

手術の準備を行う。
点眼麻酔+洗顔消毒+ドレープ+閉瞼

2.結膜切開

強角膜切開による創口作成やテノン嚢下麻酔を行う際に行う。
※テノン嚢下麻酔選択時には、剪刀をテノン嚢下に潜らせ開く力で鈍的にテノン嚢を赤道部付近まで剥離する。

3.麻酔

術中の疼痛除去、眼球運動抑制の為に行う。
※省略可(点眼麻酔単独手術時)

麻酔法の選択
3-1 テノン嚢下麻酔
3-2 テノン嚢内麻酔
3-3 球後麻酔

4.創口作成(12時方向)

眼内へ器具の出し入れを出来るようにする為に行う。

切開法の選択
4-1 強角膜切開
4-2 角膜切開

5.サイドポート作成

眼内へ器具の出し入れを出来るようにする為、角膜輪部2箇所にポートを作成する。(2時方向、10時方向)

6.粘弾性物質注入

術中の房水漏出を防ぎ眼内圧を保つ為。

7.前嚢切開( CCC )

核を包んでいる水晶体嚢前面を部分的に剥がす。

前嚢切開法の選択
7-1 鑷子法(サイドポート)
7-2 鑷子法(12時切開法)
7-3 チストトーム(12時切開創)

8.ハイドロ

8-1 ハイドロダイセクション

嚢と皮質の水流分離を行い、嚢から核を浮かし、次工程の核処理を行いすくする。

8-2 ハイドロデリニエーション

中心の硬い核(ニュークレウス)と周りの柔らかい核(エピニュークレウス)を分離させる。次工程の核処理時に、後嚢に皮質とエピニュークレウスが残存し、クッションの役割を果たす。

※省略可(必要に応じて行われる)

9.核処理(分割・吸引)

白濁した核を破砕し、吸引する。

核分割法の選択
9-1 溝堀り分割法(D&C法)
9-2 フェイコチョップ法
9-3 プレチョップ法
9-4 その他

10.皮質吸引

残存皮質を吸引し、核処理を完結する。
(皮質を掴み、嚢から剥がし、吸い込む)

※切開創(12時)側に島状に残された皮質除去
サイドポートより、バイマニュアル吸引、もしくはシムコ針が便利。

※後嚢側に島状に残された皮質除去
カプセルスクレーパーや超音波などを用いて残存皮質を遊離させ、吸引除去する。

※エピニュークレウスの除去
エピニュークレウスが残存している場合は吸引する。(水流分離を必要に応じて追加)

11.粘弾性物質注入

次工程の眼内レンズ挿入を行い易くする為、嚢内を膨らませる。

12.眼内レンズ挿入

12-1 眼内レンズの選択

● フォールダブルレンズ(折り曲げ可)
● PMMAレンズ(折り曲げ不可)

12-2 挿入方法の選択

● インジェクターによる挿入
● 鑷子による挿入

13.縫合

無縫合手術が主流であるが、切開創のサイズなど状況に応じて縫合を行う。